｢凪｣

ぬるい幸せ




外は怖いよ

風が冷たい


隔離された場所

隔離された時間


動く人々

大好きな人たち


ずっとこのままで居たい

今、思う


だから

とうか・・・

｢　　　　・・・ますように。｣


かなわない

しってる

心の内に閉まって、鍵を。


口から零れた淡い願い

光に紛れて溶けた




ぬるい温室

もうすぐ旅立つ私という植物

｢ガラクタ｣

鋼の鋭い指先で、
心臓をノックする。

その指は、やがて
血が巡る壁を貫き
喉を逆戻り。

口から覗く機械的閃き。

鈍い光。

込み上げる熱さ。

冷めていく心。

眼差しは何も捕えない。

ゼロになったら帰っておいで。



暗転。

｢ケいたイ電ワ｣

手のひらの電子

遊ばれる僕たち


消える言葉

溢れる文字


光る液晶画面に映る瞳

見つめ返す、自分の瞳


｢誰か見つけて｣

そんな淡い期待は

電池が切れて闇に飲まれた


電波に乗って届く声も

掴めはしない


アレはオモチャ

アレはツール


アレは・・・僕？

「地球に恋した流れ星」

貴方はとっても魅力的

私があれだけ光っても

そんなの見向きもしないのね


貴方はとっても遠い人

私は辿り着く前に

燃えて消滅してしまう


貴方はとってもポーカーフェイス

私が消えてしまっても

顔色ひとつ

変えないの


貴方の魅力に焼き切れる

流れ流れて塵になる


それでも

貴方に惹かれ続ける

それでも

貴方が好きなのです


たった一瞬輝いて

貴方に好きだと訴えて

できれば笑顔で

永眠します


終わりにひとつ

お願いです

最初で最後の

お願いです


ほんの少しでいいですので

心を痛めて下さいね


汚い私でごめんなさい


それでは

一世一代

最期の告白と行きましょう


「貴方のことが・・・」

｢Dear．．．｣

わたしは

ヒトです

偉くもなんともない

ただのヒトです



太陽のように

あなたを照らしてあげられないし

森のように

あなたを支えてあげられない

月のように

あなたを癒してもあげられません



ずっと

考えました

あなたに何をしてあげられるか・・・



わたしは

空気になりましょう

あなたが苦しくないような

澄んだ空気になりましょう



あなたを

一番に思っています



大好き。